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中央合唱団を愛する理由(わけ)〜私流昔話 No.6

播磨豊和(中央合唱団・前団長) 

** 感動篇 その2** 4)労働者は暖かいと感じた体験は他にもあります。
専従団員の役割として、合唱団・コーラスの定期指導がありました。各々複数、7つ以上の指導に当たる団員もいました。

私の担当した大手の新聞社の労働者合唱団は勤務時間が交代制のため練習時間が深夜12時かrで、社内にある労働組合の会議室で行われました。当初、練習開始時は電車の利用が出来ましたが、練習後は終電もなくなっています。タクシーを利用するだけの余裕はありません。そこで合唱団のメンバーが社内の仮眠所で寝かせ、始発に間に合わせて起こしてくれることになりました。ある日、仮眠所で熟睡していると、身体を揺り動かされて、「起きろ」の声が響きました。寝むい目をこすり起きあがりハッとしました。なんと十数人の作業着の労働者が私を取り囲んでいるではありませんか。

「やばい」と思いました。合唱団は労働組合から認定されたものではなく、労働者が自主的に結成した物で、外部者に許可なく仮眠所を利用させた合唱団のメンバーにいかなる迷惑や不利益、あるいは処分が課せられるのか…。ところが取り囲んだ労働者は、私が「悪い奴」とは思えなかったのか、労働合唱団で合唱づくりを手伝っていることを知っている方がいたのか、「ここは我々餓死代するベッドた間違えたらしいね。ベッドから降りて移りなさい。」とだけ告げ私を帰してくれました。その時の労働者の一人ひとりの目はやさしかった。ありがたかった。

その一件以後、原付バイクの免許をとり、いつでも帰れるようにしました。バイクは妹がぷれぜんとしてくれました。

5)中央合唱団の演奏グループ「アンサンブル・ケーナ」の制作を担当し、全国各地を東奔西走しました。
北海道の遠軽町でケーナ公演を行いました。「ケーナ」のステージでは主催者側の演奏や、地元合唱団および有志との合同演奏をプログラムに加えました。
その合同演奏の舞台に、遠軽高校の音楽部を参加したちの強い希望が学校がわにとどけられましたが、許可がおりませんでした。

そして公演当日を迎え、合同演奏のステージとなり前奏が始まった瞬間、私は目を見張りました。ステージ上の遠軽高校卒業生を軸にしたメンバーと同じ衣装で、町民ホールの客席後方のスペースにきれいに整列し、振りの付いた演奏曲を生き生きと歌い踊る音楽部員の姿があるではないですか…。ステージと観客が見事に一体となった演奏に胸が熱くなり、歌いたいという熱情を舞台では発散できなかったが、最大限の創意で追求しぬいた若い仲間に脱帽しました。

次号につづく
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