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中央合唱団を愛する理由(わけ)〜私流昔話 No.4

播磨豊和(中央合唱団・前団長) 

** 爆笑篇 その3**

12)戦後まもなくの物のない時代が育ち盛りだった私は、飲食物の好き嫌いがありません。さりとて何でも食するかというと、苦手なものも無いわけではありません。「凍み豆腐(高野豆腐)」がその一つ。中学の修学旅行で関西へでかけましたが、昼食に幕の内弁当が配られました。東京で生まれ育った私は、初めて総菜の「凍み豆腐」と対面しました。ネズミ色した奇怪なヤツと思いながら口に放り込むとグニャとなり、まるで存在感のない物体が喉をとおり過ぎていきました。奇怪な味です。滅多にお腹をこわしたことのない私が昼食後は体調を崩しました。それ以来は、犯人は「凍み豆腐」となり敵は「凍み豆腐」となりました。

日本共産党が主催する「赤旗まつり」に中央合唱団は第1回より連続出演していましたが、当日は出演者に弁当が出ます。開けるとなぜかそこに「凍み豆腐」が座り込んでいるのです。すると一斉に「食べて下さい」と私に「凍み豆腐」がとどけられます。その数50個以上、私に緊張感を与えてくれる団員ご一同様、皆素晴らしい仲間ではありませんか…。なお、おみやげだといって、縄にぶら下がった「凍み豆腐」をわざわざ自宅まで郵送してくる団員がいることを付け加えておきます。
今にみていろ…。

13)高校を卒業するまでは、飲酒の習慣は全くなかった。就職すると兄二人が同職場ということもあり、先輩に誘われる機会が多く随分と呑み、そして強くなっていきました。1971年沖縄返還運動のなかで、うたごえの総力をあげた歌劇「沖縄」が創作され、全国上演が開始されました。数名の中央合唱団とともに、私もメンバーに加わりました。

私の役は「孝吉」という、主人公「きよ子」の父親で、「きよ子」役として名ソプラノ中沢桂さんもダブルキャストの一員として出演しました。「孝吉」は第一幕で一升瓶をぶらさげてアリアを歌う。お酒が好きで団の中に「飲酒青年同盟」をつくり、その幹部である私に適した役だと、もっぱらの評判になりました。中沢さんからは「上手ねー。どうしたら酔っぱらいの声がつくれるの…」とのお言葉をいただきましたが、「つくっているのではなく、これが持ち声です」とは云わずニコニコ顔で曖昧に応えていました。全国公演も30回を超え、最後のステージとなり舞台監督のガミちゃん(E氏)に頼んで、かねてから要望していた一升瓶に水ではなく、お酒を加えてもらうことが実現しました。勿論、プロデューサー、指揮者には内緒で、その日の私のアリアは絶好調であったと自画自賛しました。
ホールを埋めた人様の前で、酒を飲みながら歌を唄えるなんて、「あー幸せ!」中央合唱団でよかった!

爆笑編、つづく

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